2009年6月13日(土)〜2009年7月2日(木)のオープニング画像(画像提供:ウエンドマリ様)
札幌200か2372(北海道中央バス色内営業所朝里車庫所属、形式:日野KC-HU2MLCA改)
今回は北海道中央バス小樽地区に初めて配置された中古車を紹介したいと思う。北海道中央バス色内営業所朝里車庫に所属する日野ブルーリボン・ワンステップバスである。白石問題をきっかけとして2009年に大量に導入されたKC-規制の中古車であるが、その中でも一大勢力をなすのが、この車両を含む元横浜市交通局の日野ブルーリボン・ワンステップバスである。横浜市交通局の中古車はP-規制車の車両が中古車として多数出回っており、北海道では函館バスなどに導入されている。しかしながら、U-規制車からは機械式オートマチック車となり、使いづらさや整備などの問題から中古車として出回らなくなった。こうしてしばらく息を潜めていた横浜市営の中古車であるが、KC-規制車から再びマニュアル車に戻ったことで、また中古車として出回るようになった。再びマニュアル車として導入されたのは、偏平タイヤ低床車として試験的に導入された中扉4枚折戸で銀メトロ窓の車両と、KC-規制車から本格的に導入されているワンステップバスからである。前者は導入数自体は少ないが、中古車として日野車は道北バス、日産ディーゼル車は茨城交通に導入されている。後者は数多く導入され、日野ブルーリボン・ワンステップバスは大量に導入した北海道中央バスをはじめ、じょうてつバスやジェイ・アール北海道バス(JHB)、道北バスなどに、三菱エアロスター・ワンステップバスはJHBや川中島バスなどに導入されている。そして、後者に関しては導入年式や横浜市営時代の営業所によって車内仕様も異なっている。北海道中央バスやじょうてつバスに導入されているのはいずれも96年式であるが、JHBの車両は日野車に限って96年式と97年式が存在する。また、三菱車は97年式のみ存在する。車椅子対応となっている横浜市営のワンステップバスであるが、車椅子スペースは現在のワンステップバス・ノンステップバスと同じ中扉向かいに設置されている。96年式の車両は車椅子スペースに折りたたみ式の座席を配置しているが、97年式の車両の車椅子スペースには座席がない。JHBに導入された横浜市営の中古車はいずれも琴似営業所に配置されており、97年式の車両に限っては元札幌市交通局の車両にあるような立ち席スペースを髣髴させるのか、何だか適材適所という感じがある。また、横浜市営時代の営業所によって座席のシートモケットが異なっており、青色基調のシートとベージュ基調のシートがある。なお、ともに横浜ベイブリッジなど横浜の名所が描かれたユニークなシートとなっているが、JHBの車両に限ってはシートがはりかえられている。こうして、札幌圏大手バス事業者3社や道北バスなどに導入された横浜市営の中古車であるが、今後も地方バス事業者の車両の低床化や車椅子対応車両の導入において大いに貢献するであろう。そんな中、朝里車庫に1台だけ配置された札幌200か2372は小樽市内本線などで活躍している。最近では6月1日(月)〜9月30日(水)の期間限定で、46番:奥沢・ぱるて築港線として天神町とウイングベイ小樽を結ぶ路線でも活躍している。ウイングベイ小樽方面の一般路線のうち、37番:最上・ウイングベイ線は試験運行ののち正式な一般路線となっていることから、新たな路線として期待されている。46番:奥沢・ぱるて築港線はこの車両と他1台の2台体制で運行されている。
※(6.13.夜)先程の本文では、「1番ぱるて築港線とおたる散策バスAマリンコースを除いては、いずれも試験運行ののち正式な一般路線となった」という表記がありましたが、後の調査で31番と33番は以前運行していたウイングベイ小樽の無料送迎バスの廃止に伴い新設、38番と42番は8番や12番の一部便をウイングベイ小樽に延長する便として新設したもので、いずれも試験運行なしで正式な一般路線として運行されております。ご指摘いただいた方に感謝するとともに、お手数をおかけして大変申し訳ございませんでした。

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2009年6月4日(木)〜2009年6月13日(土)のオープニング画像
札幌200か・・51(北海道中央バス札幌東営業所所属、形式:日ディKC-RM211GSN改)(撮影当時)
※この車両はニセコバスに転籍し、現在は岩内営業所寿都ターミナル所属となっています。
今回は2009年春の転属劇でニセコバスに転籍した車両のうち、かなり違和感のある車両を北海道中央バス時代の画像とともに紹介したいと思う。現在はニセコバス岩内営業所寿都ターミナルに所属する、日産ディーゼルRM・ワンステップバスである。以前、空知中央バス深川営業所の旭川200か・635(元札幌200か・・48)を紹介した際も述べたが、北海道中央バスの初期のワンステップバスは日野製6台(札幌200か・・37〜札幌200か・・41、札幌200か・・43)、三菱製5台(札幌200か・・44〜札幌200か・・48)、日産ディーゼル製2台(札幌200か・・50、札幌200か・・51)が導入され、この車両を含む日産ディーゼル製2台は札幌地区、日野製2台(札幌200か・・39、札幌200か・・40)は余市営業所に配置されていたが、他は全て空知地区に配置されている。北海道中央バスが導入した中型ワンステップバスの特徴は車椅子に対応していないため、車椅子スペースや車椅子スロープなどのバリアフリー設備は設けられていない他、中扉は2枚折戸を採用している。そんな札幌地区に配置された札幌200か・・50と札幌200か・・51は、札幌200か・・50が千歳営業所、この札幌200か・・51が大曲営業所に配置され、2001年にこの車両も千歳営業所に転属した。2004年夏には空知中央バスに転属した元札幌市交通局の中型車である、札幌22か2158(現:旭川200か・427)、札幌22か2159(現:旭川200か・428)に代わって2台とも札幌東営業所に転属した。冬に僚車の札幌200か・・50が札幌北営業所に転属した後は、イオン札幌苗穂ショッピングセンターの無料送迎バスと従業員送迎バスの予備車として時折活躍するもの、札幌東営業所にいることが多かったようである。画像は2007年2月のさっぽろ雪まつりさとらんど会場の駐車場無料シャトルバスに運用していた時の画像である。僚車の札幌200か・・50の他、当時札幌北営業所所属だった札幌200か1374(現在は札幌東営業所所属)も使用された。その後、2007年冬に2台揃って大曲営業所に転属し、北広島地区を中心に活躍していた。そして、2009年春にこの車両だけがニセコバスに転籍し、岩内営業所寿都ターミナルに配置された。もちろん日産ディーゼル製の中型車は初めての導入であり、日産ディーゼル製の車両も久々に登場することになった。余市営業所に配置された日野車2台(札幌200か・・39、札幌200か・・40)も同様に転籍しているが、富士重8Eボディとニセコバスの組み合わせが初めてなのか、妙な違和感を感じずにはいられない。現在、ニセコバス唯一の日産ディーゼル車のこの車両であるが、紅一点のような存在感で後志南西部を駆け抜けている。一方で、空知地区の2桁ワンステップバスもグループ会社への転籍が行われた。2009年春に岩見沢営業所の札幌200か・・47が、空知中央バス本社営業所に転籍している。嘗ては低床化の先駆けとして導入された2桁ナンバーのワンステップバスであるが、現在は北海道中央バス本体に在籍している車両自体が貴重となりつつある。

<2桁ナンバーの(初期の)ワンステップバスの動向(2009年6月上旬現在)> |
登録ナンバー(新製時) |
登録ナンバー(現在) |
メーカー |
新製営業所 |
転属歴 |
現在の所属営業所 |
札幌200か・・37 |
左と同様 |
日野 |
芦別営業所 |
― |
空知中央バス本社営業所 |
札幌200か・・38 |
左と同様 |
日野 |
芦別営業所 |
― |
空知中央バス本社営業所 |
札幌200か・・39 |
左と同様 |
日野 |
余市営業所 |
― |
ニセコバス岩内営業所寿都ターミナル |
札幌200か・・40 |
左と同様 |
日野 |
色内営業所朝里車庫 |
余市営業所 |
ニセコバス岩内営業所寿都ターミナル |
札幌200か・・41 |
旭川200か・433 |
日野 |
滝川営業所 |
― |
空知中央バス深川営業所 |
札幌200か・・43 |
左と同様 |
日野 |
滝川営業所 |
― |
滝川営業所 |
札幌200か・・44 |
左と同様 |
三菱 |
滝川営業所 |
― |
滝川営業所 |
札幌200か・・45 |
左と同様 |
三菱 |
滝川営業所 |
― |
滝川営業所 |
札幌200か・・46 |
左と同様 |
三菱 |
岩見沢営業所 |
― |
岩見沢営業所 |
札幌200か・・47 |
左と同様 |
三菱 |
岩見沢営業所 |
― |
空知中央バス本社営業所 |
札幌200か・・48 |
旭川200か・635 |
三菱 |
岩見沢営業所 |
― |
空知中央バス深川営業所 |
札幌200か・・50 |
左と同様 |
日ディ |
千歳営業所 |
札幌東営業所
→札幌北営業所 |
大曲営業所 |
札幌200か・・51 |
左と同様 |
日ディ |
大曲営業所 |
千歳営業所
→札幌東営業所
→大曲営業所 |
ニセコバス岩内営業所寿都ターミナル |
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2009年5月23日(土)〜2009年6月4日(木)のオープニング画像(画像提供:ウエンドマリ様)
札幌22か・654(北海道中央バス西岡営業所所属、形式:三菱P-MP618P)
今回は積極的な中古車や新車導入が行われたもの、まだまだ現役で活躍する89年式の車両を紹介したいと思う。北海道中央バス西岡営業所に所属する、三菱エアロスターKである。現在は江別営業所の札幌22か・672を含めて2台しか残っていない89年式車両であるが、ともに新呉羽ボディの三菱車で大型長尺車である。その89年式車両の2台の中でもとりわけ驚くのが、この車両である。新製配置は色内営業所朝里車庫で、札幌22か・655〜札幌22か・657とともに長らく小樽地区にて活躍していた車両である。朝里時代は88年式の札幌22か・260とともにNTT北海道のラッピングバスとして活躍し、ラッピング解除後も名残としてセーフティーウインドー上の「中央バス」の表記が特徴的であった。ここで、小樽地区の車両は海が近いことから塩害でボロボロになりやすく、札幌地区や空知地区の車両と比べても短命な車両が多かった。しかし、最近では塩害対策を頻繁に行っていることで他地区に比べて状態も良くなり、更にプロパーの非冷房車や元札幌市交通局の非冷房車などの置き換え車両として次々と札幌地区へ転出するようになった。小樽地区では88年式から冷房車が導入されているが、ほとんどの88年式〜90年式の車両は古い順に年々札幌地区に転出していった。朝里車庫で活躍していた4台の89年式三菱車も2005年春に転出し、この車両と札幌22か・655は平岡営業所、札幌22か・656と札幌22か・657は石狩営業所に配置された。その後、2007年春に札幌22か・657が旧標準色のまま大曲営業所に転属し、2007年冬には札幌22か・656が新川営業所に転属した。2007年春に小樽地区の89年式の車両が消滅したが、札幌地区に転出した89年式の車両はほとんど残っていた。2008年春に新川の札幌22か・656が登録抹消され、89年式の日野車(札幌22か・682(白石→新川)、札幌22か・684(石狩))も登録抹消されるもの、残り3台の三菱車は全て大曲・平岡地区に残存していた。しかし、2009年春の積極的な中古車や新車が導入されたことで、平岡の札幌22か・655と大曲の札幌22か・657は登録抹消された。そして、平岡営業所に所属していたこの車両も運用離脱したことで、登録抹消されるものと思われた。だが、西岡営業所に転属したことによって再び活躍する姿を見かけるようになった。一度89年式車両が消滅した西岡営業所であるが、この車両の転入によって再び89年式車両が復活することになった。多くの中古車や新車が導入された2009年であるが、89年式車両が2台も残ることは予想だにしていただろうか。そして、90年式の三菱車である朝里車庫の札幌22か1085が2009年春に登録抹消されたことで、小樽地区新製配置車両では驚異の長寿車両となっている。江別の札幌22か・672とともに一日でも長い活躍を願うと同時に、残存する89年式車両の活躍を今のうちに目に焼き付けたいと思う。

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2009年5月16日(土)〜2009年5月23日(土)のオープニング画像(画像提供:ウエンドマリ様)
(上左)札幌22か1858(北海道中央バス真栄営業所所属、形式:三菱U-MS826P)(以前の姿)
(上右)札幌22か1858(ニセコバス本社営業所所属、形式:三菱U-MS826P)(現在の姿)
(下左)札幌200か・688(北海道中央バス色内営業所おたもい車庫所属、形式:三菱KK-MK25HJ)
(下右)札幌200か・689(北海道中央バス色内営業所朝里車庫所属、形式:三菱KK-MK25HJ)
今回は最近の小樽地区での車両の変化を、ウエンドマリ様の提供画像とともに紹介したいと思う。上2画像は北海道中央バス真栄営業所に所属していた、三菱エアロバスである。新製配置は南郷営業所で、閉所に伴い平岡営業所に転属、そして千歳営業所へと転属した。更に真栄営業所に転属した後は、長らく真栄営業所にて活躍していた。左の画像は真栄営業所時代の画像で、13番朝里川温泉線の他にも札樽高速や桂岡線、余市・積丹方面の路線などで活躍していた。ここでこの車両の特徴は、青色の窓ガラスとモデルチェンジした三菱エアロバスとの組み合わせである。トイレ・テレビなしのノーマル仕様の車両では唯一無二の存在であり、トイレ・テレビ付きのフル装備仕様の車両(札幌22か2028、札幌22か2029)を含めても3台しか存在しない。また、青窓の高速車は93年式の車両まで数多く導入され、嘗ては北海道中央バスの主力であった。しかし、94年式からは青窓が廃止され、貸切車の高速車への大量格下げもあって徐々に数を減らしている。そして、三菱エアロバスがモデルチェンジしたのは92年であり、多くは貸切車で導入されたこともあり少数の導入にとどまっている。このことから、この車両は中央バスグループでも大変貴重な存在といえる。2009年の新車導入に伴って去就が注目されたが、状態が良いことからニセコバスに転籍した。本社営業所に配置され、小樽線(急行小樽⇔ニセコ)への運用もある。長らく小樽地区で活躍していた車両であるが、今後しばらくも小樽にて活躍する姿を見かけることが出来るであろう。下2画像は北海道中央バス色内営業所に所属する三菱エアロミディMK・ワンステップバスである。ともに新川営業所に所属していた車両で、LED式方向幕に交換後の2002年式の車両では初めての小樽地区への転属車となった。札幌200か・688はおたもい車庫、札幌200か・689は朝里車庫にそれぞれ配置され、おたもい車庫の札幌200か・687や朝里車庫の札幌200か・686とともに活躍している。札幌200か・686や札幌200か・687は千歳営業所から転入している(札幌200か・686は一度おたもい車庫に配置されている)が、今回転入した車両も新製配置は千歳営業所である。千歳営業所には札幌200か・685が配置されているが、以前はそれら4台を含めた5台が活躍していた。今回の転入で千歳営業所から転出した2002年式の三菱エアロミディMK・ワンステップバスは、全て小樽地区に集結する形となった。ちなみに、今回の転入でおたもい車庫から札幌200か・973、朝里車庫から札幌200か・974が余市営業所に転属し、赤井川・銀山方面や余市協会病院方面の路線で活躍している。余市営業所では初のLED式方向幕の車両となった。更に、余市営業所の札幌200か・・39と札幌200か・・40がニセコバスに転籍するといった、玉突きのような転属が起こっている。そして、真栄営業所岩内相生車庫に所属していた札幌22か1678もニセコバスに転籍し、同じ場所の岩内営業所に配置されている。つまり、ニセコバスでは北海道中央バス小樽地区から4台も転入しているのである。以前は塩害や札樽高速での頻繁使用であまり状態が芳しくなく好まれなかったが、最近では塩害対策も頻繁に行われ状態も良好なことから転出するようになった。今回ニセコバスに転入した小樽地区の車両が、一日でも長く活躍するよう期待したい。
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2009年5月9日(土)〜2009年5月16日(土)のオープニング画像(『道北バスの日野+富士路線車アラカルト』)
(上左)旭川200い・555(道北バス本社営業所所属、形式:日野KC-HT2MMCA)
(上右)旭川200か・579(道北バス本社営業所所属、形式:日野U-HT2MMAA)
(中左)旭川200か・667(道北バス本社営業所所属、形式:日野U-HT2MMAA)
(中央)旭川200か・666(道北バス永山営業所所属、形式:日野U-HT2MLAA)
(中右)旭川200か・622(道北バス本社営業所所属、形式:日野U-HT2MLAA)
(下)旭川200か・523(道北バス永山営業所所属、形式:日野U-HT2MPAA、(下右)画像提供:ウエンドマリ様)
今回はGWに旭川を訪れた際に撮影した旭川市内のバスのうち、道北バスの日野HT+富士重7Eボディのバリエーションを紹介するため、7つの画像(うち1画像は提供画像)をサムネイル形式で紹介したいと思う。上の2画像は元阪東自動車の日野HT+富士重7Eボディである。画像はともにラッピングバスとして活躍しているが、他に阪東自動車時代の水玉塗装のまま活躍する車両もいる。事実、左の旭川200い・555は元々旭川200か・655という登録ナンバーで、ラッピング前は阪東時代の水玉塗装のままで活躍していた車両である。現在はラッピング広告に合わせて希望ナンバーに再登録されている。日野純正ボディの車両とともに導入されており、最近はKC-規制車も導入されている。阪東自動車では大型標準尺車が採用されている。中程の3画像は元遠州鉄道の日野HT+富士重7Eボディである。中央の画像はラッピングバスとなっているが、ほとんどは遠州鉄道のままの塗装で活躍している。導入年次によって正面やリアの塗装が異なり、左は遠鉄カラーの緑色を生かした塗り分けに、右は道北バスの一般路線カラーの帯を塗装した塗り分けとなっている。他にも郊外線兼用ということで、道北バスの郊外線カラーの帯を採用する車両もいる。しかしながら、右の画像を見ても分かるとおり、緑帯に塗られた車両も層雲峡などの郊外線でも運用されている。遠州鉄道ではホイールベース3種類全てを採用しているが、道北バスには大型短尺車と大型標準尺車が導入されている。画像では左が大型標準尺車、中央と右が大型短尺車である。下の2画像は元東洋バスの日野HT+富士重7Eボディである。東洋バスは元々赤系塗装であったことから、道北バス一般路線カラーに塗り替えられている。元東洋バスは他に三菱エアロスターKが導入されており、ともに大型長尺車を採用している。ここで、3社の車両を外観から比べてみたいと思う。中古導入されている日野HT+富士重7Eボディは、全て黒メトロ窓で中扉4枚折戸である。車体の長さ(ホイールベース)を判別するには、非公式側(左4画像)を見ると一目瞭然である。富士重7Eボディの場合、非常口の前の窓が判別する手段である。大型短尺車(中央)はその窓が極端に小さくなっているが、大型長尺車(下左)はその窓がメトロ窓となっている。また、同じ大型標準尺車である上左と中左の画像を見ると、同じ窓配置になっていることが分かる。次に、公式側(右3画像)を見ると各社の特徴が顕著に表われる。阪東自動車(上右)は方向幕が中扉の後ろで、一番後ろの窓は固定窓となっているのが特徴的である。遠州鉄道(中右)は方向幕が中扉の前で、メトロ窓も非常に見栄え良く配置されている。ちなみに、画像はないが遠州鉄道の大型標準尺車は前中扉間のメトロ窓が大きくなるだけである。東洋バス(下右)の方向幕は中扉前の車体に小型幕が埋め込まれているため、窓は全てメトロ窓となっている。道北バスでは車体に埋め込まれていた小型幕を埋め、中扉前にLED式方向幕を増設している。こうして見てみると、非常に数少ない日野HT+富士重7Eボディであるが、移籍車だけでもこれだけのバリエーションがあることに気づかされる。道北バスの日野+富士重ボディは路線車がこれらの移籍車のみであるが、高速車ではプロパー車として存在している。また、旭川電気軌道ではプロパー車として銀サッシ窓ながら日野+富士重7Eボディの大型長尺車が一般路線車両として存在している。そう考えると、旭川地区は日野+富士重7Eボディが比較的多い場所なのである。ちなみに、道北バスで黒メトロ窓の富士重7Eボディは日野製しか存在しない。嘗ては主力だったプロパー車の銀メトロ窓の日産ディーゼルUA(富士重7Eボディ)が次々と退役する中、新たな主力車両としてメトロ窓の色とシャーシを変えた富士重7Eボディがこれから活躍していくであろう。
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2009年4月25日(土)〜2009年5月9日(土)のオープニング画像
北見230あ2041(北海道北見バス北見営業所所属、形式:いすゞPA-LR234J1)
今回は久々に北海道北見バスの車両を紹介したいと思う。北海道北見バス北見営業所に所属する、いすゞエルガミオ・ノンステップバスである。北海道北見バスでは初めてのノンステップバス、そして10数年ぶりのいすゞ車の導入となった。この車両が導入される以前の北海道北見バス(旧北見バス)のいすゞ車は、名寄本線代替バスとして遠軽営業所に配置された北見22う・・50〜北見22う・・53(形式:いすゞP-LV214Q)を最後に、一切導入されなかった。当然ながら遠軽営業所に配置された車両以降、いすゞキュービックは以後一切導入されていない。そんな遠軽のいすゞキュービックLVを撮影したかったのだが、ぼくが来た2007年には既に登録抹消されていた。2回に分けて三菱エアロミディMK・ワンステップバス(北見230あ2031・北見230あ2032、形式:三菱KK-MK25HJ)と日野レインボーU・ワンステップバス(北見230あ2036・北見230あ2037、形式:日野PA-KR234J1改)が導入され、置き換えられていたのである。後者の日野レインボーU・ワンステップバスは北見営業所にも導入されている(北見230あ2035)。実は後者の日野レインボーU・ワンステップバスの導入が、久々のいすゞ車の導入と深い繋がりがある。日野レインボーUはいすゞエルガミオのOEM供給車なのである。現在はJ-BUS製の統合生産車として製造されているいすゞエルガミオと日野レインボーUであるが、PA-規制車はOEM供給車としていすゞから日野へ供給されていた。しかし、日野レインボーUとしていすゞエルガミオからOEM供給されていたのは当時ワンステップバスのみで、ノンステップバスは日野レインボーHRとして引き続き製造されていたのである。このことが影響したのか、北海道北見バス初のノンステップバスはエンジンが日野レインボーUと同一で見た目も似ている、いすゞエルガミオが選択されたのである。この車両以降、大型路線車の新車として毎回いすゞエルガを導入しているのが特筆される。このいすゞエルガミオ・ノンステップバスは北見230あ2040・北見230あ2041の2台が導入され、北見230あ2040が北見市内線向けとして、そしてこの北見230あ2041は郊外線向けとして導入された。中型ノンステップバスとしては以後導入されておらず、中型路線車でも今のところ最新車両となっている。現在は主に2番美山線・9番緑ヶ丘団地線・10番春光町線でともに活躍しているが、北見230あ2041は稀に他の北見市内線や郊外線への運用も見られる。ちなみに、10番春光町線は2009年4月の夏ダイヤ改正とともに一部経路が変更され、ひかり野地区やのつけ乃湯へ行けるようになった。のつけ乃湯への利便性やひかり野地区の将来性を考慮すると、10番春光町線は今後も大いに発展する路線である。

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2009年4月13日(月)〜2009年4月25日(土)のオープニング画像(『特別企画』、画像提供:ジャンボ様)
名古屋200か2450(名古屋市交通局稲西営業所所属、形式:三菱PKG-MP35UM改、車番:NF-102)
ジャンボ様が愛知県の会社に就職したということで、今回は特別企画として全国的に一番気になる車両を紹介したいと思う。名古屋市交通局稲西営業所に所属する、三菱エアロスター・ノンステップバスである。現在の三菱ふそう製大型ノンステップバスは日産ディーゼルスペースランナーRAのOEM供給車である三菱エアロスターSが販売されている(ハイブリッドバスを除く)が、最近になって三菱エアロスター・ワンステップバスをベースとしたノンステップバスが登場した。PJ-規制車以来となる三菱ふそう製大型ノンステップバスとなったが、同時に三菱ふそう製では初めての廉価版ノンステップバスが登場することにもなった。KC-規制車〜KL-規制車にかけての大型ノンステップバスは、車体構造もエンジンもツーステップバスやワンステップバスとは異なり、エンジンの置き方を変え中扉以降もスロープ状にしたフルフラットノンステップバスが製造されていた。しかし、これらは試作的要素や特殊的要素が強いため、コストが高くあまり普及しなかった。そこで、ワンステップシャーシをベースとし、中扉から後ろはツーステップ、前中扉間のみノンステップとした所謂“廉価版ノンステップバス”が登場したのである。現在のほとんどのノンステップバスは中扉より後ろはツーステップ、エンジンもワンステップバスのものを使用した廉価版ノンステップバスが標準仕様となっており、全国的にもかなり普及している。一方、KC-規制車からの三菱ふそう製大型ノンステップバスは、初期のコストの高いノンステップバスと廉価版ノンステップバスとの中間的な構造を持つノンステップバスが製造されていた。エンジン配置がツーステップバスやワンステップバスと異なるもの、中扉より後ろはステップを付けたツーステップ構造となっている。PJ-規制車までほとんど構造を変えずに製造されたため、今回の車両の登場まで廉価版ノンステップバスは製作していなかったのである。ハイブリッドバスを除いて一旦大型ノンステップバス製造から撤退した三菱ふそうであるが、今回初めて廉価版ノンステップバスとして復活した三菱ふそう製大型ノンステップバスを見ると、何だか日本初のノンステップバスと似たような構造に思えてしまうのは気のせいだろうか。廉価版ノンステップバスが出回る遥か以前の話であるが、日本初のノンステップバスも中扉より後ろはツーステップ構造、前中扉間のみノンステップ構造となっているのである。当時は試作的要素が強く、ほんの一部のバス事業者しか採用されていなかったもの、現在の廉価版ノンステップバスに通じるものがある。そんな日本初のノンステップバスと今回の車両を比べると共通点がいくつかあることに気付くであろう。まず、ベースとなった車両と車高が変わらないことである。日本初のノンステップバスはツーステップバスベース、今回の車両はワンステップバスベースで、ともに車高はそのままのため前中扉間の天井が非常に高くなっている。また、前中扉間の窓ガラスが下部に拡幅されているのも共通している。まさしく、廉価版ノンステップバスの先駆けといっていい外観に仕上がっていると思う。とはいえ、正面やリアを見るとワンステップバス、前中扉間の窓ガラスと中扉より後ろの窓ガラスとのアンバランス感、そして中扉より後ろの窓ガラスの開閉部分の大きさなど、奇妙な点が多く魅力を感じずにはいられない。名古屋市交通局では一般路線仕様車として大型標準尺のこの車両を70台以上導入している。また、尼崎市交通局では22台を導入した結果、全国で初めてノンステップバス100%を達成したバス事業者となった。更に、地方自治体のバス事業者だけでなく、相模鉄道といった民間バス事業者にも導入されている。ちなみに、尼崎市交通局や相模鉄道では大型短尺車(形式:三菱PKG-MP35UK改)を採用している。これらの車両は試作的要素が強い外観で活躍し始めている。本格的な三菱ふそう製廉価版大型ノンステップバスの登場を期待しつつ、これからの大型ノンステップバス製造の動向を見ていきたい。

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2009年4月4日(土)〜2009年4月13日(月)のオープニング画像(下の画像はウエンドマリ様からの提供画像)
(上)札幌200か2445(北海道中央バス札幌北営業所所属、形式:三菱BKG-MS96JP)
(下)札幌200か2446(北海道中央バス真栄営業所所属、形式:三菱BKG-MS96JP)
今年の北海道中央バスの車両は白石営業所一部路線廃止問題による中古車の購入が大きな話題となっているが、中古車だけでなく新車も導入されている。中古車は一般路線車両のみであるが、新車は一般路線車両や都市間路線車両だけでなく、予約制都市間路線(3列シート)車両でも導入されるなど、導入車両は多岐にわたっている。そんな今年の新車の中から2台をピックアップして紹介したいと思う。札幌北営業所に所属する三菱エアロクイーン(上)と真栄営業所に所属する三菱エアロエース(下)である。上の三菱エアロクイーンは3列シート主体のインターシティ仕様となっており、北海道中央バスの3列シート車両では5年ぶりの三菱車となった。北海道中央バスの3列シート車両は従来からSHDの日野車と三菱車が1台ずつ導入されていたが、2002年にHDの日野車(札幌200か・668、札幌200か・669)を導入した。しかし、2年後の2004年は再びSHDに戻り、日野車(札幌200か1272)と三菱車(札幌200か1278)が1台ずつ導入された。その後は三菱ふそうのリコール問題もあり、翌2005年は日野車が3台(札幌200か1510、札幌200か1532、札幌200か1540)、更に2年後の2007年からは三菱車ではなくいすゞ車に振り替えられ日野車とともに導入されていた。それが2年続いた後に登場したのが、この三菱新型エアロクイーンなのである。フルモデルチェンジ後では初めての登場となった。2009年はこの三菱車と日野車(札幌200か2436)が1台ずつ導入され、予約制都市間路線で活躍し始めている。下の三菱エアロエースは4列シートでトイレ無しのノーマル仕様で導入された。昨年もノーマル仕様の三菱エアロエースが2台(札幌200か2177、2180)導入されたが、昨年導入車と明らかに違うのは天井に載った直結エアコンと3スパンの大容量のトランクルームが特徴的である。今年の札幌北営業所ではOEM供給車にあたる日産ディーゼルスペースアローAが2台(札幌200か2425、2426)導入されており、車両外観・内装とともに同一仕様となっている。こちらの2台は新千歳空港連絡バスへの運用もあるため、大いに3スパンのトランクルームを活用出来そうであるが、果たして札樽高速では3スパンのトランクルームを活用できるかどうかは微妙である。しかし、日野新型セレガやいすゞ新型ガーラは直結エアコンと3スパンのトランクルームが標準仕様のため(というか見た目の上でも直結エアコンにせざるを得ないが…)、日野車やいすゞ車と仕様を統一するためにこういった車両が導入されたようである。真栄営業所では三菱エアロエースはこの1台のみであるが、久々にいすゞ新型ガーラを2台(札幌200か2427、札幌200か2428)導入したのが特筆される。2台のいすゞ車もノーマル仕様で、今回はトイレ付き仕様車は導入されていない。これら3台は札樽高速や13番朝里川温泉線、余市方面などの路線で活躍し始めている。


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2009年3月26日(木)〜2009年4月4日(土)のオープニング画像
札幌200か2181(北海道中央バス新川営業所所属、形式:三菱PKG-AA274MAN)
昨年の北海道中央バスの新車から1台を紹介したいと思う。北海道中央バス新川営業所に所属する、三菱エアロスターS・ノンステップバスである。見た目はどう見ても日産ディーゼルスペースランナーRA・ノンステップバスに見えるが、この車両は三菱ふそうにOEM供給されている車両なのである。この時期(現在)の三菱ふそう製大型ノンステップバスは西工96MCボディを採用した日産ディーゼル製のスペースランナーRAのOEM供給車となり、エアロスターSの名称で販売されている。また、大型ワンステップバスは三菱(MFBM)製ボディを採用するもの、エンジンは日産ディーゼルからOEM供給されたものとなっており、その車両は日産ディーゼルにOEM供給されスペースランナーAとして販売されている。しかし、日産ディーゼル製の大型ワンステップバスは従来の西工96MCボディ製を採用したスペースランナーRAも販売されているため、双方のボディが存在する形となった。だが、三菱ふそう製の大型ノンステップバスではMFBM製ボディが存在しないため、西工96MCボディのみとなった。つまり、大型ノンステップバスでは三菱ふそう製でも日産ディーゼル製でも全く同じ車両となっているのである。ということは、J-BUS製を含めても大型ノンステップバスは2種類しか存在しないことになる(ハイブリッドノンステップバスを除く)。以前は4社(日野、いすゞ、三菱ふそう、日産ディーゼル)4種類の車両に加え、4社のシャーシを架装した2社(西日本車体、富士重工)や同じ三菱ふそうの車両でもボディが違う2種類のボディ(三菱ボディと新呉羽ボディ)が存在するなど、ボディだけでも多様性があったものである。それに各バス事業者独自の仕様が加わることで、数多くの三者三様なバスが生み出されていたのである。その三者三様なバスの違いを見つけ出すのがバスの魅力だと思う。しかしながら、日野といすゞ、三菱ふそうと日産ディーゼルでそれぞれ実質的に統合され、車両仕様も国土交通省標準仕様ノンステップバスに準じたものとなった。効率化や標準化、コスト削減という面では良いことだと思うが、同時に三者一様なバスが生み出されることにもなった。多様性という面ではある意味、乏しさも感じずにはいられない。だからこそ、小さな細かい面で違いを見つけ出すということも逆に今のバスの魅力かもしれないと思う。北海道中央バスでは2008年に、この車両の三菱エアロスターS・ノンステップバスと日産ディーゼルスペースランナーRA・ノンステップバス(札幌200か2163、石狩営業所所属)を1台ずつ導入した。見た目ではまさに瓜二つである。なお、北海道中央バスの新標準色では灰色帯が正面のバンパーと被るため、正面バンパーの上半分が車体と同じ塗装になっているのが特徴的である。三菱エアロスターS・ノンステップバスのこの車両は新川営業所に配置され、旧石狩営業所担当路線で活躍している。

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2009年3月17日(火)〜2009年3月26日(木)のオープニング画像
札幌200か1478(ジェイ・アール北海道バス琴似営業所所属、形式:いすゞKK-LR233J1、車番:431-0801)
現在、ジェイ・アール北海道バス(以後、JHB)で活躍する中型車のうち、異端的な車両がこの車両だと思う。JHB琴似営業所に所属する、いすゞエルガミオ・ワンステップバスである。一見するとJHBが導入したプロパー車のようにも見えるが、よく見てみると登録ナンバーとこの車両のボディがあまりにも不釣り合いだということに気付く人もいるのではないかと思う。事実、この車両より新しい北海道中央バス岩見沢営業所に所属する同型車(札幌200か・996〜札幌200か・998)と比べていただければ一目瞭然である。天井のクーラーの位置が中央にある他、正面のミラー部分の形状も初期のいすゞエルガミオの特徴的な点である。そして、登録ナンバーから考えても同時期に導入された車両は国土交通省標準仕様ノンステップバスやそれに準じたワンステップバスが出始めた頃なので、車内の仕様を見ても新車だとは考えにくい。それもそのはず、この車両は元々淡路交通で使用されていた車両なのである。淡路交通といえば、塩害対策として4・5年程で車両を代替し、車齢の若い車両を中古車市場に放出するバス事業者である。特に最近まではいすゞエルガ・ワンステップバスをいすゞエルガ・ワンステップバスで置き換える状況が続き、その大部分のいすゞエルガ・ワンステップバスは神姫バスに譲渡され活躍している。神姫バスではU-規制車の前中扉車のキュービックLVから導入が続いており、中型車のいすゞLRやいすゞエルガミオ・ワンステップバスを含めるとかなりの台数となっている。また、特定輸送用としてU-規制車やKC-規制車の前中扉車のいすゞキュービックLVを導入した国際興業バスや、前後扉車のいすゞキュービックLVを導入した南海バス(南海バスから下北交通への更なる譲渡も見られる)など、導入時の車齢が若いことから首都圏や関西圏の大手バス事業者でも導入されているのが特筆される。JHBでも2000年にいすゞの中型バス2台(現在は新篠津交通に譲渡)を導入した他、2001年には一気に15台のU-規制車の前中扉車のいすゞキュービックLVが導入され、うち半数程は様似営業所に配置されている。その後は導入されることはなかったが、2005年にこのいすゞエルガミオ・ワンステップバスのみが導入されている。新車で導入された日野レインボーRJ・ワンステップバス(札幌200か1154)とともに主に円山地区の路線で見かけることができる他、新車でもいすゞエルガミオ・ワンステップバス(札幌200か2121〜札幌200か2123)が導入されたこともあり、最近では札幌中心部と琴似地区を結ぶ路線でも使用されている。淡路交通の中古車とはいえ、いすゞエルガをいすゞエルガで置き換えること、その置き換えたいすゞエルガやいすゞエルガミオが既に中古車として出回っていること自体、驚きを感じずにはいられない。そして、こうした淡路交通の中古車は第2の活躍の場において長らく活躍していくであろう。

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2009年3月17日(火)以前のオープニング画像はこちらから |
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